赤い模様(バンド)が特長的で、観賞用小型エビの中でも非常に人気のあるレッドビーシュリンプ。
レッドビーシュリンプを販売しているショップでも結構、高価な価格で販売されていることもあります。
そこで、その見た目から鑑賞用のエビとして大人気のレッドビーシュリンプを飼うのに適した、水温・水質・餌などの飼育方法を解説します。
レッドビーシュリンプとは?
レッドビーシュリンプは、突然変異個体を固定した改良品種で1991年に誕生しました。
まだまだ、アクアリウム界に表れてから間もないですが、それまで小型エビは水槽に生えるコケ対策とし入れられていました。
しかし、レッドビーシュリンプが現れると一気にそのコケ対策から見た目の可愛らしさなどから、観賞目的で飼育されるようになりました。
今では、赤の模様(バンド)の入り方によって色々な種類のレッドビーシュリンプが作出されています。
販売されている価格は、コケ対策用のエビとして水槽に入れられることが多いヤマトヌマエビやミナミヌマエビよりも高価です。
最近ではだいぶその価格も落ち着いてきたようで、以前と比べてそこそこ手頃な価格で購入することが出来るようになりました。
ただし、模様(バンド)の入り方によっては以前と同様に高価な種類もいます。
食性はコケ取りエビなどと同じように雑食性で、藻(コケ)や生物の死骸、生物の糞や死骸などが分解されて発生するデトリタスなどを食べます。
ただし、観賞用目的で飼育されることが多いために、色揚げなどのために専用の餌を与えることが多いです。
最大体長3cm程度と小型なのが特徴です。
水槽内で熱帯魚と混泳する場合には、レッドビーシュリンプは小型の甲殻類という事で、餌として捕食対象となりうる可能性があります。
レッドビーシュリンプは、淡水水槽内で産卵・繁殖が可能なため複数匹のオスとメスを用意しておくと、自然繁殖し10匹いたのがいつの間にか倍以上の数に増えてしまうこともありますが、そのためには水槽のろ過が安定し水質・水温などに気を配る必要があります。
生まれたばかりのレッドビーシュリンプの稚エビは、体長2mm程と非常に小さく熱帯魚との混泳水槽の場合は、レッドビーシュリンプの稚エビは混泳魚の餌になってしまうでしょう。
繁殖させて数を増やしたい場合には、混泳魚がいない状態で飼育するのが必須です。
どうしても別途水槽が用意出来ないならば、水草やウィローモスなど稚エビの隠れ家を用意してあげないと、水槽内から徐々にレッドビーシュリンプが減少していきます。
レッドビーシュリンプの飼育データ
最大体長 | オス:2cm程度 メス:3cm程度 |
水温 | 20~27℃ |
水質 | 弱酸性~中性 |
寿命 | 約1~2年 |
水槽サイズ | 30cm以上 |
餌 | 人工飼料・赤虫 藻類では、珪藻・緑藻など |
飼育難易度 | 難しい |
※必ずしもこのデータ通りであれば安全に飼育できるというわけではありません。
特に夏場で水温が上昇して水槽内の溶存酸素濃度が低くなってくると、簡単に弱ってしまいます。水温が27℃を超えるようになったら、最低でもエアレーションをして溶存酸素濃度を高め、さらに水温を下げる必要があります。
レッドビーシュリンプを飼育する上での注意点
水質に敏感なので水合わせは時間を掛けて
レッドビーシュリンプは、水質に非常に敏感です。
ちょっとした水質の悪化にも即座に反応してしまい、簡単に死んでしまうこともあります。
水槽で飼われる甲殻類(エビ)の中でも非常にデリケートな小型エビなので、コケ取り対策用のエビで有名なヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどと同じように飼育すると、そのデリケートさが非常に分かります。
水質に敏感に反応するため、水槽導入前の水合わせには十分に時間を掛ける必要があります。
水温を合わせて、導入予定の水槽水を1~2時間程ゆっくり点滴のように垂らしながら、水槽水に慣らせる必要がります。
水換え頻度を多くすると水質が変わりやすいので注意
先程も書きましたが、レッドビーシュリンプは非常に水質に敏感です。
水質に敏感なので、水槽にコケが生えてきたからと言って、水換え頻度を多くすると水槽水質の急変に繋がります。
通常の水換えでも、カルキ抜きした水道水の水温を飼育水と合わせて、ゆっくりと水槽に注いでいく必要があります。
殺虫剤などにも注意
レッドビーシュリンプを飼育している水槽が置かれた部屋で、殺虫剤を使用するのも非常に問題があります。
殺虫剤に含まれる成分は、熱帯魚にとってはそこまで害にならなくても、レッドビーシュリンプなどの甲殻類にとっては非常に危険な成分を含んでいます。
殺虫剤の注意書きの部分を見てみると、そのような事が書かれている事が多いです。
特に水質に敏感なレッドビーシュリンプを飼育している水槽の側で殺虫剤を使用すると、翌日には全滅していたという事もあります。
餌の与えすぎに注意する
基本的には、餌を与えるのは2日に1回で十分です。
餌を与えすぎると、残った餌が底床などに溜まってしまい、飼育水が富栄養化してしまいます。
飼育水が富栄養化すると、コケが生えやすくなるので水換え頻度を多くしないといけなくなるので、飼育水の水質が変わりやすくなります。
混泳する熱帯魚の向き・不向きな相手
観賞目的でレッドビーシュリンプを水槽に導入しようと考えますが、その混泳相手として問題無い熱帯魚と不向きな熱帯魚がいます。
先程の餌の問題やレッドビーシュリンプを捕食してしまうような熱帯魚との混泳には、最大の注意を払う必要があります。
レッドビーシュリンプと混泳が不向きな熱帯魚
レッドビーシュリンプと同じ水槽で一緒に飼う事で、問題が出る可能性が高い熱帯魚達です。
- 大型魚
- 金魚
- エンゼルフィッシュ
- ベタ
などです。
また、生まれてくる稚エビはここに挙げた飼育魚以外にとっても恰好の生餌になってしまうので、数を増やしたい場合にはメスが抱卵したら別水槽に移動させるなどの対策をしないと、徐々に数が減少していきます。
レッドビーシュリンプと混泳が向いた熱帯魚
基本的には、レッドビーシュリンプは単独飼育が基本ですが、一応混泳することが出来る熱帯魚です。
- レッドビーシュリンプと同程度の体長で、温和な熱帯魚
- ネオンテトラやカージナルテトラなどの小型カラシン類
- オトシンクルス
- コリドラス
などです。
まとめ
観賞用の小型エビとして人気のレッドビーシュリンプ。
水質に非常に敏感なので、しっかりとろ過のきいた水槽を用意し、水質・水温などにも注意して飼育する必要があります。
導入前の水合わせも時間を掛けて慎重に行う必要もあり、飼育する上で色々と気を付けないといけないこともあります。
それでも、その小型で赤と白の模様が可愛いので、レッドビーシュリンプがいる水槽を眺めているととても癒されるはずです。
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